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サンキュな【宍戸 亮】

絶対ありえないことだと思っていた。

見慣れた部屋。
いつも横になるベッド。
白い肌。
しわくちゃになったシーツ。
いつもと違うあまったるい雰囲気。
誘うように少し開かれた唇。

俺がつぐみを押し倒したという、このシチュエーション。

こんなこと、絶対ありえないと思っていたのに。

「そんな目で見んじゃねーよ」

耐えられず、俺は言った。
ダセェな、俺。
腕が震えてやがる。

「…壊しちまいそうになる」

つぐみの手が俺の頬に触れた。
暖かい温もりが伝わる。

だから、んな目で見んな。
触んな。
かろうじて繋がってる理性という細い糸。
それが切れたら終わりだ。

―――何が。

今までの子供じみた恋愛とか、二人で築いた信頼とか。
わからねえ。
わかりたくもねえ。
離れるなんて嫌だ。

怖いんだ。

「宍戸…先輩…」

青みがかった長く黒い彼女の髪を撫でると、かすれた声でつぐみが俺を呼んだ。

「つぐみ…好きだ。……好きだ。好きだ」

何度も俺は同じ言葉を呟いた。
そうしなければ彼女が消えてしまいそうで。
情けねぇ。
童貞でもねえのに、激ダサ、だ。

「私も…です。先輩…だから…だから…」

目頭が熱くなる。
自然に眉が寄った。

「先輩、私を……っ」
「っ……」

言葉を遮り、強引にくちづけた。
むさぼるように口内を侵した。
お互いの舌が絡む音にひどく欲情した。

「どうなっても知らねえからな」

最後まで張りつめていた糸は、あっけなく切れた。

「やっは…ぁ…っ、しし…ど…せんぱ…」

熱っぽいつぐみの声が、俺の耳を撫でる。
俺は彼女の赤く立ち上がった小さな花を舌で転がし、右手でもう片方の胸をやんわりと揉み続けた。
まだ未発達のその胸は、すっぽりと俺の掌に収まった。

「バッカ。隠すんじゃねえよ」

ふと見上げたつぐみの顔は、ほんのりと紅が差し、シーツを掴むことに疲れた両手が、その堪らない表情を俺から遮っている。
ゆっくりと開く両手のなかで、うるんだ瞳が俺を見つめた。
我慢できず、俺はつぐみにもう一度キスをする。
歯列をなぞり、舌を絡め、そして酸素を求めるように熱い息を交わす。

「宍戸せんぱ…っ、も…あたしっ」

顔真っ赤にさせて、瞳をうるませて。
こんな表情を俺の前でしてくれるのが嬉しくて、嬉しいからもっと見たいと思う。
からかいたくなる。
下半身が熱くなる。
肌と肌が触れ合っている。
密着している。
欲望が身体を支配する。
どうしようもない。
好きで、好きで、好きすぎる。

震えていた俺は、

どこへ行った。

何度も彼女の腰を撫でながら、ようやくつぐみの秘部へと到達する。
ピクリと敏感に反応するつぐみをキスでなだめた。

「すげ…トロトロだぜ…」
「や…っ、そ…なこと…」

わざとつぐみの耳元で呟いた。
熱っぽい吐息がつぐみの言葉を邪魔する。
でもそれが、とても愛らしい。

指を抜き差しするごとに、卑猥な音が部屋に響く。
いくらでも溢れてくるつぐみの愛液が俺の指を、掌を絡めることに興奮した。
そして、指と言えど自分の一部が彼女の中に入っていることに。

「…せんぱ…い…お願い…くださ…っ」

耐えるように動く腰を更に揺らしながらねだるつぐみ。
…すっげえ可愛い。
でもな、いつまでも“先輩”はねえだろ?

「いいぜ。“亮”って呼んでくれたらな」
「えぇっ」

つぐみは涙をためた瞳で俺を見た。
汗でにじんだ額にキスをする。
そして目尻にたまった雫を唇ですくった。

「……頼む、つぐみ」

俺だって限界なんだぜ?
正直な話、その……息子がかなりな。

「せっ……亮」
「サンキュな」

ジーンズのベルトを外し、猛ったモノを取り出す。
それを見たつぐみはすぐに顔をそらした。
あーもう、どこまで可愛いんだお前は。

彼女の方に向き直り、ゆっくりと彼女の入り口に近づける。
触れたそこは、先程よりも熱く感じた。

苦しそうに顔をしかめるつぐみの名前を何度も呼ぶ。
耳たぶを甘噛みして、深いキスをして、首筋に赤い印を残して。

シーツの波の上で行き場を無くしていた彼女の手を、握った。

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