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はじめまして、はこんな形【ガイ・セシル】

「怖いかい?」

ガイが言った言葉に、フィーネは小さく首を振った。
体は小刻みに震えて、肌の白いその顔は耳まで紅く染まっている。
ガイもまた、震えていた。
両の手のひらをフィーネのそれに添えて、力無げに笑った。

「ほんと、情けないな。やっと君に触れられるっていうのに」

ギシリと、二人が座るベッドが音を立てた。
脇に置かれたライトが放つ仄かな灯りが、淡く二人を包んでいる。
心に大きく根を生やした幼い頃の記憶を乗り越えて、ガイはついに恐怖症を克服 した。
完治、とはいかないまでも女性に触れることは出来るようになったのだ。

「ガ、ガイ様……その、無理しないで下さい。他にも機会が…きゃっ」
「……ごめん。気遣わなきゃいけないのは俺のほうなのに」

フィーネが言い終わらないうちにガイは彼女を抱きしめた。
背中から伝わるガイの腕は小さく揺れ動いて、それでもしっかりとフィーネを抱 いていた。

「俺、本当に情けなくて今だって震えてるけど……でも君を愛したいんだ。ずっ とそう思ってた」

ゆっくりと体を離して、ガイとフィーネはお互いを見つめた。
同じ色した瞳が蒼く揺れて、ガイはフィーネの頬に右手を添える。
ピクリッと先に反応したのはガイの手か、フィーネの頬だったか。

「大丈夫」

そっとガイが言い、フィーネがコクリと頷いた。
然して何度か躊躇ったあと、二人はくちづけを交した。
ぎこちないその動きと、それぞれの恐怖症が反応し胸の奥に形容しがたい感情が 生まれる。 それはとても熱く、そして激しい。

「っく…はぁ…っ」

フィーネの歯列を腔内をガイの舌がじわりじわりと侵す。
酸素を得ようと口を開くたび、抑えることのできなくなった唾液が、顎を伝って 溢れた。
もうそれはどちらのものともわからないほどに混じりあい、小さな灯りに反射し ていやらしく光っている。
くちゅくちゅという舌と舌が絡む音が頭の中に響いて、フィーネはそれだけでも うどうにかなりそうだった。

「んふぅ…んん」

接吻を交わしたまま二人はベッドに倒れこんだ。
ガイが角度を変えるたび、シーツと服が擦れ音を出す。
震える手でフィーネの額にかかる髪をかきあげ、ガイが唇を離すと一筋の糸が二 人を繋いだ。

「…はぁ…ガイ様……」
「フィーネ…いい、かな」

フィーネの首筋にガイの舌が這う。
ざらついた感触は只でさえ他人に敏感な肌に強すぎる。
時折ちゅうっという音がして、フィーネの興奮を高めた。
気付かないうちに彼女の上半身は下着だけになっていて、ガイの手がフィーネの 肌に触れている。
その手は皮の手袋を通してもとても熱く、ひどくくすぐったい。
薄暗い灯りのなかで、淡く浮かんだフィーネの容姿はとても華奢で、16年前のホ ド戦争のときにつけられたという大きな傷痕が痛々しく刻まれていた。

「今でも痛むのかい」

ガイの言葉にフィーネは小さく頷いた。
病は気から、という。
それが怪我にも通ずるのかはしれないが、ホドのことを思うたび、その傷痕は時 折激しい痛みに襲われる。
二度と忘れることの出来ない記憶だ。

「ガイ様、そんな顔しないで」

悔しさと申し訳のなさに、ガイは涙が出そうだった。
ずっと自分を想ってくれていたフィーネのことを、ガイは忘れていたのだ。
彼女の存在をぼんやりと覚えて居るだけで、どこかそれも他人の記憶のようだっ た。
自分も覚えていなかった3歳の頃の預言をずっと守り抜こうとしてくれていた彼女 のことを、もっと早く気づくことが出来ていたならと思う。

「好きだフィーネ。本当に君のことが好きなんだ。………もう辛い想いはさせた くない」
「そんな……んふぅうっ」

ガイはフィーネに再びくちづけ、胸を覆う下着を上へ押し上げた。
焦るように手袋を外して、フィーネの胸に触れる。
とても柔らかいその弾力にガイはフィーネに負けないくらい頬を赤らめた。

「女性ってこんなに柔らかいんだな」

今だ震える手をゆっくり動かしてゆるゆるとその丘の形を変える。
頂点の蕾を食指で軽く押すと、フィーネの口から甘い声が溢れた。

「…や…ぁ……ガイさ…っ」

突起を摘んで弄ぶと一掃フィーネの喘ぐ声が高くなる。
それを口に加え転がしながら、ガイは手を彼女の肌に滑らせ、フィーネの膝丈の ズボンのチャックを下げた。
ピクリッとフィーネの体が動く。
熱い吐息を繰り返し、潤んだその瞳がガイを見つめた。
不安そうなフィーネの頬に軽くキスをし、ガイは自分の上着を脱いだ。
程よく引き締まった筋肉にフィーネは思わず目を反らす。
ガイは笑って、フィーネのズボンを静かにおろした。
恥ずかしいのかぴたりと閉じてしまったその足を撫で、彼女の名を呼べばするす ると緊張が解けていく。
もうその手は震えてはいなかった。
食指で布越しに彼女の中心に触れると、そこは既に湿っていてそれだけで何だか 嬉しくなる。

「フィーネ、もう湿ってる」
「…っ……」

羞恥の念にかられる彼女を見て興奮する自分はどこかおかしいんじゃないか、そ んなことを思いながらガイは布の上からそこを擦ってみた。
体の中でどこよりも熱いその場所は、指の腹でも形がわかるくらいに膨れている 。

「はぁ…っあぁ…ふっ」

布の脇から指を差し入れ直接触れると、今まで経験したことのない感触が伝わっ てきた。
ふっくらとして熱を帯び、そして動かす度に溢れる愛液がとても心地良かった。

「んあッ…ぁああっ」

ビクビクとフィーネの身体が二、三度痙攣し、彼女の中心も急に狭くなる。

「…フィーネごめん、その…イッたかい?」
「は…い……」

ガイが彼女の中から指を引き抜くとフィーネはもう一度体をよじらせる。
ガイももう我慢はできなかった。
猛った自身を取り出すとフィーネの入口にあてがう。

「本当にいいかい、フィーネ」

恥ずかしそうに頷くフィーネを見て、ガイはゆっくりと挿入を始める。
その場所は想像以上に狭く、気を抜いたらすぐにでも達してしまいそうだった。
フィーネの目からは涙がポロポロ流れて、痛みに歯を食いしばっている。
挿入を続けながらガイは自分の身体をフィーネに密着させた。

「俺の肩、噛んでもいいよ」
「ふぇ…」

歯が割れたら困るからと、汗ばんだ顔でガイは言い、フィーネは戸惑ったあとご めんなさいとガイの背に手を回し、口元を肩に近づけた。

奥までガイのモノが達すると、二人は肩で何度も息をした。
フィーネはどうしようもない異物感にさいなまれながらも、ガイとひとつになれ た嬉しさにより強く彼にしがみつく。

「私 嬉しいです。ガイ様と……ひとつになれるなんて…」
「俺も。こんな日がくるなんて思ってなかったな」

フィーネの髪を撫でながらガイは言った。
立ち上がっていた髪は汗で重力に負け、額に張り付いている。

「毎日やったら、お互い恐怖症完治できそうだな」
「なっ…」

ガイは軽快に笑ってフィーネの唇にキスをした。

二人の“はじめまして”、はこんな形。

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