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隙間【蛭魔妖一×姉崎まもり】

「…ダメだ姉崎。もう我慢できねえ」
「えっ、ちょっ…ヒル魔く…っ」

視界が大きく動いた。
息を吐く間もない深いキスのあと、文字通り目と鼻の先にある彼の顔から、無機 質な白い天井へと世界が移動する。
背中に当たったのは固いテーブル。
無造作にそこ置かれていた書類はバラバラと床に落ちた。
白い天井は、次に彼の切迫つまった顔に変わる。
こんな顔、見たことない。
初めてだ。
部室で、学校でなんて非常識もいいところなのに。
けれどまもりは彼、蛭魔妖一の普段決して見ることのない表情にひどく胸をしめ つけられた。

「ヒル魔くん…」
「妖一、だ」

言うとヒル魔は、まもりの首に舌を這わせる。
まもりはギュッと目を瞑り、彼のワイシャツの胸の部分を握りしめた。

「ふぁ…っ」

息の音、と言ってもいいくらい小さな声がまもりの口から溢れた。
顔はもちろん、身体の至るところが熱く、そして緊張している。
ヒル魔の長い指が肌に触れるたび、舌が動くたびまもりは肩を震わせた。

「脱がすのめんどくせー」
「きゃっ」

ヒル魔はまもりの制服を下着ごとたくしあげた。
形の良い胸が、揺れながら外気に触れる。

「ちょっ…ヒ…よういち…せめて…!」
「せめて?」

彼女の胸に顔を押し付けて、細い瞳がまもりの揺らぐ視線を捕える。

「せめて……脱が…せ…て…」

言うや否やまもりの頬は、更に赤く染まる。

「あおんなよ」

ヒル魔はかすれた声で言い、まもりのそこだけ冷えた耳を形を辿るかのように舐 めた。
その左手は、彼女の左胸に置かれている。

「言ったろ。我慢できねえ。てめえを今すぐ抱きてえんだよ」
「だっ…ごう…いんっ」
「ワリーナ」
本当に悪いと感じているとは思えないくらいの ――実際感じていないのだろうが――棒読みで、ヒル魔は言った。

こんなに。
こんなにヒル魔が、自分を求めたことがあっただろうか。
いつだって余裕で、冷静で。
どうやったって自分のほうが先に興奮させられて、それを見る彼の顔はとても嬉 しそうで。

胸は何度も形を変え、迫る快感に声が潤う。
赤い華が白い肌にいくつも散り、ヒル魔のまもりへの執着が花開いた。
スカートをたくしあげ、下着を下げる。
長く細い彼の指が、静かにまもりの敏感な場所を攻める。
彼女から溢れる蜜が、ヒル魔の指を伝う。

「んっあぁっ」

ゆっくりとヒル魔の自身が挿入された。

聞こえるのは、肌と肌がぶつかり合う音、卑猥な水音、まもりのあえぐ声。

「姉崎…姉崎っ」

そして、ヒル魔が彼女を求める声。
口づけた。
離れないように強くお互いを抱き締め合った。

『フィールドじゃひとりだ』

……いや、

そうじゃねえ。

むせっかえるような臭い。
自分の激しい呼吸音。
眠るまもりの腹部には白い液体が放射され、その端正な顔も汚していた。

ロッカーの前のベンチに丁寧に畳まれ積まれたタオルを一枚掴み、彼女の身体を 拭く。
胸のキスマークが目に入り、思わず指でなぞった。

「……依存しすぎだ」

ポツリとつぶやき、ヒル魔は未だ眠るまもりにそっとキスをした。

「三位決定戦、楽しみだな糞マネ」

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