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求めるがままに【巽完二×白鐘直斗】

よく晴れた日の昼下がり、巽完二は自室で生唾を飲み込んだ。
久慈川りせから渡されたアイドルのグラビア雑誌。
ベッドに仰向けになってページをめくる。
こんなものに全く興味はなかった。
作ったような笑顔に何の反応もしなかった……はずだ。
りせからこの雑誌を渡されたあの日、完二はある人物に呼び出された。
そこに居たのは、彼女と黒神創世というわけのわからない大男で、彼に促されるままに開いたページでたわわな胸を両腕で寄せてポーズを取っていたのは、その場に居た彼女──白鐘直斗だった。
……というのが、つい先日の出来事だ。
「……良い……」
擦り切れるほど何度も見たそのページの彼女は、他のアイドルにはない恥じらいという初々しさが表情にあらわれていて、どんな女子よりも可愛く見える。
白い肌がライトに美しく反射していて、いつだってそこに釘付けになる。
ああ、ダメだ。もう、我慢などできない。
「……直……斗……」
彼女の名前をつぶやいた。
そっと自分の手をジャージの下に滑り込ませ、愚息を握る。
既に硬くなっていたそれは、先端には先走りの液が滲んでいた。
「……っ……」
上下にゆっくりと擦る。
もう一度グラビアを眺めて、脳裏にビキニ姿の直斗を焼き付かせた。
うっすらと赤くなった頬。
恥ずかしそうにこちらを見る直斗。
そして、想像上の直斗は完二の自身を口に咥え込む。
「うっ……」
握った手に少し力を込めて、より一層早く上下させた。
あの小さな口に、自分のモノを入れ、長い髪を耳にかけながら、じっとこちらを見上げてくる。
彼女が動くたび、その豊かな乳房が揺れて、しなやかな体のラインが艶めかしく動く。
……ああ、最高だ。
目を閉じれば、ありありと情景が浮かんでくる。
彼女の動きに合わせて、擦り上げ、その快感に身震いする。
「出る……直斗、出……っ」

「……はい、なんでしょう?」

そのあまりにもリアルな声に、完二は目をかっぴらいた。
視線の先、開かれたふすまの向こうには、直斗が立っていた。
「どうわあああっ!?」
声にならない声を上げて、完二は壁際に退く。
心臓がバクバクと激しく脈打ち、背中には冷たいものが流れた。
「おまっ、ど、どっ、どどっ!」
「……店の前で君のお母さん会って……上に居るということ……でしたから」
ふと、直斗の視線が一点に止まる。
そして、頬を染めたあとすぐに逸らした。
彼女の見た場所を自分で確認する。
そこには、ジャージのズボンから取り出された自身があった。
慌てて、押し込もうとすると、直斗が「待って下さい」と制した。
後手でふすまを閉めると、ずずぃと顔を感じに近づける。
「……そ、それ、僕のせい、ですか?」
「え……っ」
「……僕のせいで、そうなったってこと、です、よね?」
直斗の視線が、広げられたグラビア雑誌へと泳ぐ。
赤く染まったその顔が、先程までの想像上の直斗を重なった。
「まさか久慈川さん……っ」
「ち、違う! お前に決まってんだろ!」
つい反射的に答えてしまい、決まりの悪い沈黙が訪れる。
しまおうにもしまいづらい、なんとも奇妙な空気だ。
「僕が、続き、しても良いですか……?」
「は……?」
直斗の言葉を理解するより先に、彼女がベッドの脇に膝をつき、両手で完二の自身に触れていた。
「っ……!」
自分の手ではなく、他の誰でもない直斗の柔らかな手に包まれる感触に身震いした。
「直斗、おまえ……」
なけなしの理性で制止しようとする。
けれど、直斗は止まらなかった。
壊れ物を扱うかのように、おどおどと触り続けている。
「すごく……不思議、ですね。この触った感触」
「……お前、何やってるのかわかってンのか?」
「ええ、一応……」
戸惑いながらも上下に移動するその手は、ふわふわとしてくすぐられているかのようだ。
「……もっと、こう……」
「あっ……」
彼女の手の上から、自分の手を重ねて握りしめると、直斗の頬が一層赤みを帯びた。
そのまま擦れば、今更恥ずかしそうにこちらを見上げてくる。
ああ、何だってそんなに可愛いんだろう。
「直斗……っ!」
「わっ……!」
力いっぱい彼女を抱きしめた。
愛しい。
たまらない。
出会った頃には短かったはずの髪が、ふわりと揺れた。
空いている左手で彼女の頬に触れた。
「んん……っ!」
唇を重ねる。
それだけでは満足できなくて、舌を彼女の口に差し入れた。
「ふ……っ、ん……っ!」
息をつく間も惜しい。
求めるがままに吸い、交差させ、歯列をなぞる。
直斗の手を挟んでいても、自身が更に熱を帯びるのがわかり、少し恥ずかしさがこみ上げた。
「っは、たつみ、くん」
とろんとした瞳が、完二を見上げる。
(やべ……)
すぐにでも達してしまいそうだ。
しかし、それでは男としての面目が立たない。
完二は再度、直斗の手の上から滾った己を擦る。
「気持ち……良いですか?」
直斗の言葉に、完二は心臓を鷲掴みされたような感覚に陥った。
「お前がしてんだ、当たり前だろ」
ぶっきらぼうに応える。
我ながらいつもどうして、こういう物言いになってしまうのだろう。
「あ……あの……」
「……あん?」
言いづらそうにしばし視線を泳がせて、決心したように直斗がぎゅっと目をつぶる。
震える唇が小さく開く。
「フェ、フェラチオ……をしてもいいですか?」
「は……、はああああ!?」
思いもよらない単語が直斗から飛び出して、完二は思わず声を上げた。
「あ、あのっ、すみません。ええっと、フェラチオとは女性が男根を口に含む行為で……」
「まっ、まて! 言うな! わっ、わかるっつーの!」
「えっ、あ……! そ、そうですよね。え、ええっと、すみません」
誤解をしかけた直斗を制したが、想像以上の出来事に完二は軽く混乱した。
フェラチオなんて、普段の直斗なら絶対口にしない言葉だ。
さすがに完二も彼女がここまで誘うことを妄想したことはない。
だが、こんなに直斗が積極的なことなんて、これから先も早々ないかもしれない。
据え膳食わぬは男の恥、だ。
「……頼めるか」
直斗を見る。
真っ赤な顔をして頷いた。
ジャージと下着を少し下げると、直斗が恐る恐るソレに顔を近づける。
そして、ぺろりと先端を舐めた。
「っ……!」
感じたことのない淡い衝撃。
それは、破裂しそうなほど早鐘を打つ、鼓動と共にやってくる。
「ふ……、ん……」
ゆっくりと直斗は完二の自身を咥え込んだ。
普段あまり微動だにしない口が、大きく開いて自分のイチモツを頬張っている。
ただそれだけの情景で満足してしまいそうだ。
「んっ、ふっ……、んんっ……」
直斗が軽くソレを吸い込んだ。
チュクチュクと、卑猥な音が響く。
その程良い刺激に気が遠のきそうになる。
堪えるように彼女の長い髪に触れる。
サラサラと手のひらを流れて逃げていく。
「どこで……覚えてきたんだよ……」
「ふこひ、ほんをよみまひた」
声の振動が絶妙に肌を掠めていく。
……なるほど、これはやばい。
漫画で良く声を出すな、というセリフがあるが、こういうことかと納得した。
「んん……っ、ふっ、んく……っ」
少しずつ、直斗の動きが早くなる。
ぎこちない舌の動きが、逆に完二を攻め立てる。
「直斗」
ただされるがままでは我慢できず、完二は体を起こして直斗の下半身へと手を伸ばした。
静かに彼女のスラックスのボタンを外す。
「っは、巽くん」
彼女の口から弾けるように飛び出したソレは、直斗の唾液でテラテラと輝いている。
なんて、欲情的な様相だ。
「立て」
はやる気持ちを抑えながら彼女を立たせ、スラックスを脱がせる。
薄い水玉の入ったショーツに、ゴクリと喉を鳴らした。
直斗は恥ずかしそうにワイシャツの裾を伸ばしてそれを隠した。
「……俺だけじゃ不公平だろ」
「そんな……っ」
彼女の抵抗を制して、完二は彼女のショーツを脱がせた。
片足を抜いたところで、もう自分の欲望を抑えきれなくなった。
「直斗……」
名前を呼んで抱きしめる。
少し力を入れただけで壊れてしまいそうな華奢な体。
顔を押し付ければ耳に聞こえてくる、激しい心臓の音。
全てが愛おしくて堪らない。
「このまま……上に乗れ」
「え、どういう……」
要領を得ない表情の直斗に、完二は耳元で囁いた。
「……騎乗位、してくれねえか?」
直斗の頬がかあっと染まる。
そして下唇を少し噛んで、完二の体にまたがった。
ジャケットを脱がせてワイシャツのボタンを外してやる。
ショーツと同じ柄のブラジャーと白い胸が、シャツの間から顔を出した。
「あっ……」
両手で二つの乳房を揉む。
小さな喘ぎ声が彼女の口から漏れた。
あの、雑誌に載っていた直斗の、何度も見て想像した感触が目の前にある。
焦る気持ちを抑えられずに、完二は彼女の下着をたくし上げた。
ぷるんっと、大きく揺れる胸には反り立った乳首が上を向いている。
「やっ……!」
親指の腹でそれを撫でると、ブルっと直斗が震える。
チュッと、わざと音を立てて片方を口に含んで、コロコロと舌で転がす。
ビクビクッと再び体を震わせた直斗は、完二の頭を抱えるように抱きしめた。
熱を帯びた柔らかい肌が、とても心地良い。
「……ひゃっ!」
彼女の秘部に手を伸ばす。
直接触ったのは今が初めてなのに、手のひらまで滴るほどに濡れていた。
「ん、んん……っ」
蕾に触れると、直斗がくぐもった声を出した。
完二の背中に回した手が、耐えるようにTシャツを握る。
クチュクチュと撫でると、熱い息を吐き出して直斗は、完二を抱く腕に力を込めた。
貪るように彼女の胸に吸い付きながら、指を彼女の奥へと差し入れる。
くぷぷと音を立ててすんなりと入ったそこは、暖かい。
「は……っ、だ、め……たつ、みく……!」
「……なんでだよ。すっげえ気持ち良さそうに見えンぞ」
言葉で責めると、また少し直斗が震えた。
激しく指を出し入れすれば、弓なりに仰け反る。
その姿がとても妖艶だ。
「……直斗、早く入れてくれ」
直斗から指を引き抜いて、完二は自身を手にしてヒタヒタと彼女の腹に接触させた。
直斗はうつろに目を揺らして、口を開く。
「……アレは……ありますか」
「アレって?」
答えを知りながら聞き返すと、直斗はまた頬を染めた。
「……コンドーム……です」
小さい声でそう言うと、恥ずかしさを隠すように完二の肩に顔を沈める。
先ほど『フェラチオ』と平然として口にしたのが嘘のようだ。
「ここに」
完二は敷布団とベッドの隙間に手を入れて弄った。
引きぬいたその手のひらに、直斗が尋ねたモノが握られている。
「……付けてみるか?」
そう言って渡すと、直斗は戸惑いながらも封を開いた。
精液だまりを摘んで、完二の自身にかぶせ始めた。
「それも、本で?」
そのあまりにも自然な所作に、問いかける。
直斗はキッと完二を見上げた。
「これは……っ、君のやっているところを見て……覚えました」
返された言葉に、心臓が一際大きく脈打った。
彼女との距離の近さを表しているような気がして嬉しさを覚える。
程なくして、コンドームを付け終わった直斗が完二を見やる。
それに完二は、笑顔を浮かべて返した。
直斗はほんの少し躊躇したあと、完二のソレを手にし、自分の秘部へと宛てがう。
「んんっ」
「っ……」
ゆっくりと彼女の体が下がり、完二のペニスが入り込んでいく。
とても熱くて、狭い。
けれど同時に、心地の良さを感じる。
直斗と完二が繋がっているその情景が彼の感情を刺激する。
「直斗、なんつーか、その……エロい……」
「っ、君が……させたくせに」
少しふてくされたような物言いに羞恥が混じっている。
そんな表情も、堪らなく淫らに感じた。
彼女の腰を撫でる。
ピクリと体を揺らし、吐息を漏らした。
「でも……僕も、君が……欲しい」
直斗の小さな手が完二の両頬を包んだかと思うと、唇に柔らかい感触が訪れた。
それは、直斗の。
「んっ、は……あっ……!」
ゆっくりと直斗の腰が上下する。
程良い重みで、いつもより奥へと入ったような感覚になる。
ぷちゅ、くちゅっと卑猥な音が漏れて、次第に激しさを増した。
少しでも近づきたいと、交差する舌。
首に回された腕に力が入り、完二も彼女を抱きしめる。
扇情的に揺れる乳房が、自分の肌に擦れ、その存在を主張する。
普段の仕草やグラビアでの作った表情には決して見られない、淫乱な姿の直斗がここにいる。
自分の前でしか見せない、自分だけの直斗。
好きだ。
愛しい。
むちゃくちゃにしたい。
欲望が次々に表れて完二の中で渦を巻く。
ぎゅっと抱きしめて、体を反転させ、直斗を横にする。
「あっ、たつ、み、くっ、あっ、あっ」
ぐしゃぐしゃにシワの付いたワイシャツ。
けれど構うこと無く、自身を彼女に打ち付ける。
愛液が直斗の脚を伝う。
自分が求めるがままに、彼女を喰らう。
直斗。
直斗、直斗。
直斗、直斗、直斗。
「……はっ、あ、く……っ!」
「ああっ……!」
彼女の奥深くで、自身が白濁の液を吐き出した。

「これは没収します」
「んなっ、お、おい!」
身なりを整えた直斗が、部屋の脇に追いやられたグラビア雑誌を自分の鞄へと突っ込む。
「俺が持ってたっていいじゃねえか! せっかくお前がそういうカッコ……してんだからよ」
「ダメです! 絶対ダメです! 問答無用でダメです!!」
キッパリと言い切った直斗に、完二はため息をついた。
そんな彼に、直斗がそっと寄りかかる。
「……こんなの見なくても……こうやって僕が居ればいいじゃないですか……」
拗ねたその顔に、完二の心臓がキュンと高鳴った。
そして。
「わっ! ちょっと、何するんですか!」
ガバっと直斗を抱きしめた。

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