home > text > > はじめての日【巽 完二×白鐘直斗】

はじめての日【巽 完二×白鐘直斗】

「あ、あのよ……直斗、そ、その……いいのか?」
開いた窓から入る風がカーテンを揺らし、月明かりがキラキラと部屋の中を照らす。
「い、良いです。ぼっ、僕に二言はあ……ありません」
ゴクリと喉を鳴らした完二が、直斗が座り込んだベッドの端に膝をつく。ギッ……と軋んだ音が仲間に加わった。
「うっ……」
恐る恐る伸ばされた完二の大きな手が頬に触れた瞬間、直斗の体はビクリと跳ねた。
「……直斗、やっぱ止めっ、……っ!?」
完二の言葉を遮って、直斗は彼に無理矢理口づけた。その行為には『君の意見には賛同できない』という意思が込められている。
「ん、んぅっ、ん……」
完二に触れるその手はひどくぎこちない。けれどキスは深いものだった。
くちゅくちゅと口の中で直斗の舌がうごめく。それは彼女が精一杯背伸びしているのだと、完二はなんとなく気がついた。
「……馬鹿野郎」
息継ぎの間に、完二は直斗の後ろ髪を撫でながらそう呟いた。
そして、そのまま彼女の肩を掴んで押し倒す。
スプリングに跳ねた小さな体に、鼓動は一層速くなった。
「直斗……」
「巽、くん」
人形のように白い彼女の肌が、薄い赤色を帯びて呼吸している。
まだ、キスをしただけなのに……いやそれすらまだ完二はまだ慣れていないのだが……自分の奥から言いようのない欲望がせり上がってくる。
――早く抱きたい。早く、早く。
「んっ……!」
腹を減らした獅子のように、完二は彼女の唇に喰らいついた。
付き合い始めてから、何度キスをしただろう。なかなか慣れるものじゃない。
面と向かうことすら、緊張しておかしくなりそうなのに、こんなにも好きで好きで仕方のない直斗にキスをしている。
ましてや、今からそれ以上に及ぼうとしている。
夢のなかでふわふわ浮いているような心地だ。
「んっ、はっ、あっ……んんっ」
舌と舌が絡む音。それが再び耳に届く。
彼女の肩に置いたままだったその手を、彼女の頬へと移動した。
そうすればもっと一つになれる気がした。
「たつ、……はあ……み、くんっ」
直斗の腕が、完二の首に絡みつく。
彼女もそうなのだと、やはりなんとなく感じた。
お互いに息が上がり、どちらともなく唇を離して汗ばんだ額と額をくっつけた。
「僕……おかしくなりそうです」
「俺はもうおかしくなってっけどな」
「……巽くんは、きっと僕ほどではないと思います。だって僕……初めてなのに……その……早く、早く君に……」
そこまで言って、直斗は恥ずかしそうに顔を両手で覆った。
「め……めちゃくちゃにしてもらいたい、なんて……思っていますから……」
「…………!」
直斗らしからぬ言葉に、完二は息を飲んだ。
あの冷静でマジメな白鐘直斗が、自分を前にして「めちゃくちゃにしてもらいたい」などと。
「……俺だって」
次の言葉を述べるのに躊躇する。
「俺だって……お前を今すぐめちゃくちゃに、してえよ」
「……巽くん」
完二はもう限界だとでも言うように、彼女の白いワイシャツを上へとたくし上げた。
弾かれるように飛び出した胸が、大きく揺れる。
水色のレースをあしらった下着。
汗ばんだ胸の谷間。
完二は恐る恐る手を伸ばして、その下着すらも掴んでずり上げる。
「……ワリ、鼻血が出そう」
手の甲で鼻頭をこする。
運良く、まだ出てはいないようだった。
「止めないで」
直斗が完二の腕を掴む。
「し……下も……脱がせて……ほしい、です」
「お、おう」
指の先ですら大きく脈打っている。
完二は大きく息を吸い込むと、一気に直斗のスラックスを下ろした。
ブラジャーと対になったショーツが刺激的に目に飛び込んでくる。
「僕……もう、だめなんです。うずうずして……どうしようもなく恥ずかしいのに君に触れて欲しくて……」
真っ赤になった直斗の顔。
涙ぐんだその表情は艷やかで愛おしかった。
「僕、こんなにいやらしくて……ごめんなさい」

……もう限界だ。

「直斗……!」
完二はやわらかな直斗の胸に舌を這わせた。
ピクンっ、と反応した小さな華を啄むように愛でる。
直斗は背を反り返して鳴いた。
「たつ、みくん……」
「……俺は、好きだ」
「あっ、んんっ」
片方の手で胸を弄りながら、もう一方を彼女の恥部へと伸ばす。
ショーツから手を差し入れて、最も敏感な場所を人差し指の腹で擦る。
「冷静なお前も、いやらしいお前も、どっちも」
「あっ、ああっ、やっ、そんな……っ」
何度も何度も指を動かせば、愛液がぐちゅぐちゅと溢れて、直斗の声も艶を増した。
「いやじゃないだろ? ……めちゃくちゃにして欲しいんだよな?」
「あっ、たつ、みく……ああッ、んふっ、あっ、やあっ」
ビクビクと、直斗が背中を震わせる。

「……悪い、もうマジで止まらねえ」

next
back

return to page top