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乾先輩のドキドキマル秘ノート【桃城 武×橘 杏】

「やぁ、桃城。最近調子はどうだい?」

部活終了後、暑さのため水道の蛇口から直に頭に水をかけていた桃城に、乾がにこやかに話しかけた。

「どうって…調子いいッスよ?」

はてなマークを浮かべながら桃城は水を止め、近くにおいた自分のタオルに手をのばした。

「いや、そっちの調子じゃなくて…」

乾は桃城の肩に手を置きながら耳元で囁く。

「彼女とのエッチの様子は?」
「なっ?!」

その一言で桃城の顔は真っ赤に染まる。

「なっ、な何でんなこと聞くんスか?!」
「知ってるかい、桃。今や初体験を迎える男女の平均年齢は下がってきている。その例に上げられるのは、この部活ではお前だけだ」

パラパラとノートをめくり、もはやにこやかな笑顔は不気味な笑顔に変わっている。

「ど、どこから調べてきたんスか、ソレっ!」

乾のメガネがギラリと妖しく光る。

「俺が今年の春から付け始めたデータからだ。桃、今後の参考として、今日はたっぷり聞かせて貰うよ」

彼はジャージのポケットから部室の鍵を取り出し、それをカチャリと揺らした。

「い、イヤに決まってんじゃないッスかっ」

後ずさりをする桃城。
しかし、次に出た乾の一言は実に意外なものだった。

「そうか。無理なら仕方ないな」
「は?」

只でさえしつこいと有名なこの男――乾である。
あまりにも早すぎる引き際に桃城も少し驚いた。

「なら、この鍵は必要ないな。桃、明日の朝、大石の代わりに鍵開けておいてくれないか」
「べ、別にいいっスけど…」

桃城に鍵を預け、乾は彼に背を向けた。
遠くなっていく乾の背中を見ながら、桃城は首を傾げた。

「何だったんだ…?」

いつもなら強引にでも。
………デートを尾行されたことすらある。
そんな、乾が簡単に手を引くだろうか。

(………ま、いっか)

物事を深く考えるのが苦手な桃城は、すぐに自分の思考に幕を閉じた。
そんなことより、彼女に逢ってテニスをすることの方が先決である。
桃城は鍵を握りしめ、部室へと向かった。

「お疲れッスー・・・あれ?」

部室のドアを開けてみると、中はもぬけの殻。
少なくとも乾先輩はいるだろうと思っていたのに、彼の鞄はなくなっている。
他の部員の鞄もない。

「あー・・だから鍵・・」

ここにあるわけだ、と桃城は納得する。
すると。

『ブブーブブー』

ロッカーに無造作に入れてあった桃城の携帯が震えている。
光っているサブ画面を見ると『杏』の名前が点滅していた。

「やべっ」

即座に電話に出た。

「もしもし?」
『モモシロくん? 遅いから青学まで来ちゃったよ?』
「マジで?!」

部室の窓を開け、校門の方を見るとちらちらと茶色の髪の他校生が見える。
杏だ。

「わっりー。あ、どうせだからよ。部室にこねぇ?今なら誰も居ねぇし」
『どうせだからって・・・。部室の場所わかんないわよ』
「そのまま左に来れば俺が手ぇ振ってやるからよっ」
『・・そう?』

しばらくして近づいてくる杏に桃城は窓から身を乗り出し大きく手を振る。
それを見つけた杏は笑顔で走ってきた。
桃城はすぐに部室のドアを開け、やってきた恋人を迎え入れた。

「なっ。すぐにわかったろ?」

胸に飛び込んできた杏を抱きしめながら桃城は言った。
杏に触れることが何より好きな桃城は、二人きりになるとこうして抱きしめてることが多い。

「モモシロくん……! ここ、学校でしょっ」

桃城の胸の中で杏が顔を真っ赤にして言った。

「大丈夫だって。この時間は誰もいねえから」

ひとつ、杏の頬にキスを落とす。
部室の扉をしめ、もう一度ぎゅっと抱きしめた。

「テニス……するんじゃなかったの?」

赤くなりながらも怪訝そうな顔をする杏に桃城は口づけをした。

「なぁーんかさ、杏抱きしめてたらアイシアイタイナァなーんて…った!」

にやにやする桃城の額を杏はぺちっと叩いた。

「………バカ。スケベ」
「杏限定のスケベなんだからいいじゃん」

耳元で囁くとドアの鍵を中からかける。

「今日は部室の鍵、俺持ってるし。もし誰か来てもバレねえって」

そう言って桃城はまた杏にキスをした。
自分の舌を彼女のそれに激しく絡めた。

「……っんん…っ」

杏もそれに答えようと舌を動かす。
何度も角度を変え、より深くなっていく。
そんな口づけを続けながら、桃城は杏の制服を脱がしていった。
セーラー服の襟を左右に引っ張ると簡単に胸が現れる。
そちらに唇を移そうとそれを離す。
杏の頬はすでに紅潮し、潤んだ瞳はさらに桃城を興奮させた。
曇りガラスの窓からはオレンジの明かりが差し込み、二人をぼんやりと照らしている。
胸の谷間に桃城は舌を這わし、そこに赤く印を残した。
自らを主張するように立ち上がった突起物を桃城はひとつ、舌で舐め回した。
もう片方の膨らみを揉み始める。
すると、杏の声が艶を帯び始めた。

「やっ…あふ…」

さらに固さを増した杏の二つの突起物を桃城が軽く摘む。

「あぁっ…やぁ…」

ビクッと反応した杏はそのまま部室のドアにもたれながら桃城の頭を抱えた。

「相変わらず感度いいよなぁ、お前」
「…ぁ…うるさ…ぃ…んあっ」

潤んだ目で怒っても、それは桃城を欲情させるだけだった。

「…可愛い」

女ながらも、テニスで引き締まった杏の足に桃城が手をのばすとそこには既に一筋の愛液が流れ出ていた。

「ちょっと早いんじゃねぇ?」

意地悪く笑って桃城はそれを舐め取った。

「やっ…誰のせい…っ」

杏は熱い息を吐き、よろよろとそこに座り込んだ。
止めどなく溢れる愛液が、床を濡らした。
桃城が杏のスカートを脱がす。
と、すでに濡れ、それによって半分透けた下着が目に入る。

「やらし~」
「モモシロくんのせいじゃない…!」
「……まぁ、そうなんだけどよ」

それを脱がし、桃城は杏のつぼみに自分の指を入れた。

「ひっ…んんぅ…はぁ…ん」

抜き差しても折り曲げても、吸いついてくるそこに桃城は満足そうに笑った。
桃城は自身を取り出し、杏にあてがった。
ゆっくりと挿入すると、異物感と快感で杏の顔が歪む。
自分の体の下になった杏に桃城は重ねるだけの口づけをした。

「モモシロくん…大好き」

そういって杏は桃城の背中に腕を回す。

「俺も。でも“武”って呼んでくれたらもっと好き」
「たけ…し…」

杏の言葉にご褒美を。
桃城は再び優しい口づけをしたのだった。

「おはよう、桃。鍵開け、ありがとな」
「いえいえ。鍵、どうも」

次の日、朝一に部室に入った桃城は笑顔で次にやってきた大石に鍵を返した。
性欲を満たしたこの中学生男児は、今日は一段と元気はつらつだ。
桃城はジャージに着替えようと大石から背を向けた。
そのとき部室の扉が開く。

「おはよう、大石。桃」

そこには、左手にはノート、右手には包帯を巻いた乾が立っていた。

「乾っ!どうしたんだよ、その手っ!」

慌てて大石が近寄る。

「いや、ちょっとデータの取りすぎで腱鞘炎(けんしょうえん)になってしまってね。今日は部活には出るが、ラケットは持てないと思う」

二人の様子を唖然と見ていた桃城と乾の視線があった。

「やぁ、桃。素晴らしいデータが取れたよ」

乾の笑みに桃城は何故か冷や汗を流し始めた。

「全く計算通りの行動をしてくれたな。いや、それ以上…といったところか」
「なっ、何のことっスか」

もしや、と桃城に昨日のことが蘇る。
この逆光メガネの先輩が、知りたがっていたこと。
あっさりと身を引いたこと。
鍵を預けられたこと。
杏との情事のこと……。

「桃、中学生とは思えないテクニックで感心したよ。だが、挿入の際はやはり避妊具の着用をおすすめするよ。まぁ、桃が最後に部室を掃除、喚起をしたことは予想外だったな」
「なっ?!み、見てたんスか?!」
「あぁ。ドアに鍵をかけたまでは良かったが、窓の下への注意は怠ったようだね」

乾はメガネを上げ、それを光らせた。

「あとひとつ…」

ノートをぱらぱらとめくり、口をパクパクさせ声もでない桃城に乾は言った。

「俺の計算だと93%の確率で桃の背中にひっかき傷があるはずだけど」

桃城は反射的に背中を押さえた。
確かに服に擦れる肌は痛い。
桃城はさあっと青ざめた。

「おっはよ~!あれ?どったの。みんな」

そのときやってきた菊丸は、青ざめる桃城に、にじりよる右手を包帯で巻いた乾、その様子に胃を痛める大石に首を傾げた。

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