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きもちいいです!? さくまさん【アクタベ×さくま】

「さくぅ〜さくぅ〜」
「……なんですか、アザゼルさん。ネコナデ声で」

芥辺探偵事務所は、今日も騒がしい。

「最近さくちゃん、オレに冷たないか? アザゼルさん、さみしーわあ」
「これまでの行動による結果ですよ!」

主に、一匹の悪魔が。
事務所の主である芥辺はといえば、依頼による仕事で外へ出たきり、今はアザゼルと2人だけだ。

「ほ・ら! ちゃんと窓ふきして下さい! アクタベさんが戻るまでには終わらせておきたいんですから」

バケツの水を換えながら、そう答える。
事務所に貼られた結界により、愛らしい姿に変えられた悪魔は、しゅんとした素振りで窓を拭き始め……

「アクタベ、アクタベそればっかりやなぁ、さくは」
「ひゃっ!?」

急に耳元にアザゼルの声がして、佐隈は驚いて振り返った。
窓際にいたはずの悪魔が、そのねちっこい目で、彼女を見ていた。
彼を制御するグリモアは━━。
今は、鞄の中だ。
不穏な空気に、佐隈はごくりと唾を飲み込んだ。

「なーなー、さくちゃん。オレとぉ、えーことせーへん? アクタベはんもぉ、いないことやしぃ」
「え……えーことって、ろくなこと考えてませんよね!?」

アザゼルはにへらっと笑うと、佐隈の額に手を掲げ。

「アザゼ……」
「デコパッチンッ!!」

第2指を、親指で強くはじいた。
予想しなかった地味な痛みに、佐隈は顔を歪める。

「〜〜〜〜!! ……アザゼルさん〜〜!?」
「な……なんやの……そんな目で見なくてもええんとちゃう? 軽いオチャメ心やねん! それに……」

「!?」

額の痛みがじんわりと熱くなり、顔中、そして全身へ巡っていく。
喉がぎゅっと縮まって、うまく息を吐き出せない。
体全体が熱くなったかと思うと、その熱が急激に佐隈の胸と秘められた場所へと集まった。

「なっ……!?」
「な? ごっつぅ気持ちええやろ? おっぱいもビンビンやろ? 触られんでもアソコ、ヒクヒクしよるやろ?」

にやりと笑ったそれは、小動物ではなく悪魔の顔をしていた。
淫奔を職能とする悪魔、それがアザゼルだ。

(……いけないっ、油断してた……)

快楽に溺れそうになる理性を必死につなぎ止める。
薄いTシャツの下の胸も、ジーンズにまとわれた下半身も、佐隈の思いとは裏腹に主張を始める。

「えぇなあ〜かわええなあ! さくちゃん。さあて、日頃の鬱憤を晴らせて頂きます!」
「だ、だめえぇえ……っ! あっ……!」

腰に力が入らず、床に崩れ落ちる。
腕にひっかかったバケツが、そのままひっくり返り、佐隈は頭から水を被る形になった。
バケツはそのまま音をたてて、転がった。

「えぇ眺めやのう、さくぅ〜」
「やっ、見な、いでぇ……!」

水分を含み肌に張り付いたTシャツ。
ブラジャーの柄までくっきりと見える。
濡れた髪や、赤く染まった頬が彼女の悪魔によって引き出された色気をより一層艶めかせていた。
それを見たアザゼルは、下卑た笑いを高らかに響かせる。

「けっ、契約者に害のある行為は……っ、できないはずっ、じゃ……」
「そりゃ、さくを気持ちよぉーくさせただけやからなあ。さくちゃんはこれからもっと、ええ気持ちになるんやでぇ」

秘部の疼きに、佐隈は顔をしかめる。
涙をこらえて、アザゼルをにらみ上げた。

「ぐへっへっへ、辛抱たまりませんなぁ! ほな、いっただきま〜……」
「何している、ブタ野郎」

地獄の底から響くような声に、アザゼルは全身を震わせた。
錆びたねじを回すように、ぎこちなく首を回すとそこに立っていたのは。

「ア、アク、アクタベはん!? え……えらい早うお帰りで……」
「仕事が早く済んだ。で? もう一度聞く。てめえ、さくまさんに何をした、能無し下衆ブタ野郎」
「そっ、そのぉ……さ、さくちゃんとお、お掃除しててん! そんで、ちょっと暇やったからからかっただけやってん!」

あたふたと返すアザゼルを、芥辺は射殺すような目で見つめ、次の瞬間。

「ぐふえほっ!?」

バケツを蹴り上げ、そのままアザゼルの顔にぶちこんだ。
吹っ飛んだ先の壁に、彼の鮮血が勢い良く飛び散った。

「ア……アクタベ……さ……っ」
「……大丈夫……じゃないみたいだな」

膝をついて佐隈の様子を確認する。
全身が塗れ、疼く秘部をなんとかするがごとく、足をモゾモゾ動かしている。
透けた下着を隠すためだろうが、交差する腕に押し上げられた胸は、もはや誘っているようにしか見えない。

「……さくまさんも、いくら下等悪魔だからって気を抜き過ぎ」
「んっ……す、すみま……、あっ」

火照った頬、潤んだ瞳、唾液に濡れた唇。
普段の彼女からは想像出来ないほどの艶やかな姿に、芥辺ははぁ、とため息をついた。

「忠告を素直に聞ける状態じゃないな……」

芥辺は立ち上がり、壁にへばりついたままのアザゼルの元に寄る。
そしてその頭にめり込んだバケツを、力任せに押し込んでねじ上げた。

「ぎゅほああおううあああ」
「おい、どうすればさくまさんは戻る」

バケツに一層力が加わる。

「アアアアア、アクタベはあああん、ギブッ!! ギブ!!! ギブゥッ!!!!」
「言え。言わないとこのままその腐った脳みそごとひねり潰す」
「言う!! 言うから!! グリグリ堪忍してえ!!」

芥辺から逃れ、はみ出た脳みそを器用に押し込みながらアザゼルはヨロヨロと床に座り込んだ。

「あ、あ、あれを戻すのは簡単やねん。さくが絶頂に達すればビタッや。ホンマにちょっとした出来心やったし」
「嘘はついてないだろうな」
「あああ、アクタベはんに嘘つける度胸ありまへん!」

涙ながらに叫ぶアザゼルを尻目に、アクタベは快感と戦う佐隈を見下ろした。
そして、アザゼルを、魔方陣のある部屋まで蹴り飛ばす。
ドアがアザゼル型に穴が開いたが、もはやどうでもいい。

「失せろ。即刻な」
「……は、はひ……」

バケツが皮膚と同化し、涙と鼻水と血液が混じったその顔を震わせながら、アザゼルはすごすごと魔界へと帰っていった。
残ったのは、快楽の波に溺れようとしている佐隈と、芥辺の2人だけだ。

「…………オレも出てった方がいい?」
「う、ううう〜〜っ」

しばし考えた後、芥辺は佐隈に問いかけた。
佐隈はすがるように芥辺を見るばかりで、反応が薄い。
無意識なのだろう。ジーンズを片手で引っぱりあげて秘部に圧力を加えている。
小さな喘声が、吐息と共に口から漏れ出ていた。

「それとも」

芥辺は再び、佐隈の元に寄ると彼女の顔に自分を近づけた。

「手伝った方がいい?」
「ふぇ……っ?」

カシャン、と音がして、メガネを外された。
そして。

「ひゃあああんんっ!」

疼きを繰り返していたその繊細な場所に芥辺の指が触れる。
その腹で押すと、水分を含んだ衣服が、ぐちゅぐちゅと音をたてた。

「これは水? それともさくまさんの?」
「ち、ちが……っ、う、うあっ、……っ!」
「確かめてみる?」
「!?」

器用に留め具を外され、ずいっと下着の中に手を突っ込まれる。
そして直接、佐隈の秘められたその場所を芥辺の指がなぞる。

「下着の中まで濡らしてるみたいだけど」
「うっ、ううあっ、アク……タベさぁんん……」

何かを期待するような目。
その表情が可愛くて、芥辺の口角があがった。

「どうしてほしい? さくまさん」
「ふあっ、あ、ああ……」

流れ出そうになる唾液を飲み込んで、佐隈は芥辺にぎゅっとすがりついた。

「さ、わって……くださっ……いぃ……アクタベ、さあぁん」
「わかった」

そのまま、芥辺はゆるゆると指を動かした。
形を確かめるようになぞった後、小さな莟をきゅっと摘む。

「ひゃっ!?」

ビクリ、と佐隈の体が跳ねた。
指の腹でコロコロ転がすと、目を強く瞑って声を上げた。

「やっ、あっ、ああんっ……! もっと、もっとぉ……っ」
「……意外にやらしいな、さくまさん」

これもアザゼルの力のせいなのだろうか。
愛らしい表情に、芥辺も一瞬平静を手放しそうになった。
煩わしくなり、彼女のジーンズを膝まで下ろす。
下着も愛液でぐしょぐしょだ。

ぬぷっ。

人差し指を彼女の蜜壷に差し入れた。
柔らかい壁に囲まれた場所はヒクついていて、とても熱い。
抜き差しするたび、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が漏れる。

「あっ、あああっ、んんんぅ……う……っ!」
「さくまさん、気持ちいい?」
「イイ……ッ、きもち、イイですぅ……っ、あっ……!」

また口をパクパクさせ、目で何かを訴えている。
ああ、と芥辺は納得し、彼女の肌に張り付くTシャツの下に腕を入れた。
そして、ブラジャーの上から胸にそっと手を置く。

「ここ?」

コクコクと、佐隈が頷く。

「いいの?」

焦らすように確認する。

「お願い……しますぅ……」

彼女の言葉に、一気にTシャツをブラジャーごと押し上げた。
ピンっと、ピンク色した乳首が2つ、天を向いている。

「あっ、ひゃあああんんっ!!」

大きな喘ぎ声。
待ちこがれていたに違いない。
片方の乳房を揉みしだきながら、もう片方を舌でねぶる。
もちろん、右手は蜜壷を攻め続けたままだ。

「あんっ、やっ、ああっ、おかひく……なっちゃう……っ!」
「いいよ、おかしくなって」

彼女の声にそう返す。
冷静を装うのも楽じゃない。

「んっ……」
「やっ……!?」

乳首を吸い上げ、クリトリスを摘むと佐隈の体がビクンッ、と反り返った。
更にビクビクと震えたかと思うと、愛液ではなない液体が、音を立てて佐隈の秘部から流れ出た。

「やっ、いや……っ、いやあああっ!!」

羞恥に染まる佐隈の表情に、芥辺は思わずゴクリと喉を鳴らす。
暖かいその液体にはにおいがない。
ベルゼブブの好物ではないようだ。

「……っ、くっ、ううううっ〜〜……」
「さくまさん?」

顔を手で覆ったかと思うと、佐隈は体をぱたりと床に突っ伏し、嗚咽を響かせた。
先ほど空気が変わったことに気づくと、芥辺は彼女の秘部から、自分の指を引き抜いた。

「私……私、こんな、こんなこと……」
「アザゼルの魔力のせいだ。この行為をさくまさんが気に病む必要はない」
「で、でもぉっ、アクタベさんにこんな……っ、こんな恥ずかしいこと……」

ぼろぼろとこぼれ落ちる涙は、彼女の手では押されきれそうにないほど。
彼女の濡れた髪を芥辺は撫でる。

「さくまさん」

次の瞬間、佐隈は芥辺の腕の中にいた。

「アクタベさん!?」
「……オレは役得だと思ってるんだけど」
(アザゼルのヤツには口が裂けてもいいたくないが)

佐隈の全身からしたたる水が、芥辺のスーツにしみ込んでいく。
気づいて佐隈が体をねじるも、彼は離そうとしなかった。
この水分と一緒に、心臓の音も伝ってしまいそうでなんだか怖い。

「さくまさんがここでイかなかったら、確実にオレは最後までしていた。さくまさんの気持ちも確かめずに」
「えっ……」

かあっと、佐隈は真っ赤な顔を一層染めさせた。
メガネのない不安定な視界で、ぼんやり浮かぶ芥辺の顔。
その距離の近さにドキドキする。

「……アクタベさんなら……私……」

言いかけて、指で制される。
内緒話をするように。
そして。

「んっ……」

唇に暖かい感触。
それはとても柔らかくて、優しいキスだった。

「……掃除、がんばって」
「!?」

現実に戻る激励も共に。

一方その頃、魔界では。

「くそっ、アクタベのやつ! 腹立つわー。今日こそさくをぐっしょぐっしょにあんあん言わせるつもりやったのに」

ベルゼブブの豪勢な部屋にどっかり座り、アザゼルは悪態をついた。
その様子を見たベルゼブブは、テーブルに載せた料理を口に運びながら、さっとハンカチを取り出す。

「涙とその汚らしい鼻水を拭きたまえ、アザゼル君。折角の食事がまずくなる」
「糞食ってるやつに言われたないわ! それに比べたらワシの鼻水なんてなあ!」
「んなっ!? 人の高尚な趣味にケチつけやがってこのブタアアァァ!!」

2人の程度の低い罵り合いが、しばらく魔界に響き渡っていた。

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