「世の中不公平ッスよね」
「は?」
学校の帰り道、自動販売機でファンタを買いながら、越前はそう呟いた。(つーか、俺の金だしよ)
「何なんだよ、急に」
俺は越前より先に買ったコーラを飲みながら聞いた。
「桃先輩、身長何センチ?」
「は?170だけど?」
越前の不可解な質問に俺は首を傾げながら答えた。
「なんで、桃先輩は170あって俺は151なワケ?」
どうやら、越前がむくれているのは身長のことらしい。
俺は越前の頭をぽんぽんと叩いた。
「ま、可愛いから良いんじゃねえ?」
「なっ…」
真っ赤になった越前を満面の笑顔で見つめて、そんな風になったこいつがもっと可愛かったから思わず抱きしめた。
「俺はこのままがいーな」
小さなお前が可愛くて可愛くてたまんないから。
ま、でかくなっても愛の深さは変わんねぇけど。
「キスとかするのもベストサイズじゃん」
「…そうだけど」
ゆっくりと顔をお前に近づけて、触れる唇と唇。
桃城武と越前リョーマ。
170cmと151cm。
その差、19cm。
「俺は、桃先輩を追い越すから」
「おう!受けて立つぜ!!」
そんな第二次成長期。