プレゼント
「誕生日だな、今日」突然、ヒル魔が言った。まもりは驚いて彼を見た。まじまじと見つめる。「あ? 何ガンつけてんだ」「なっ! 別にガンつけてなんか」まもりは少し赤くなって、また元のように机の上の資料に目をやった。既に彼の特等席となったその席で、…
text アイシールド21:蛭魔妖一×姉崎まもり
129.5th down
「思ったより、ノリノリだなぁ糞マネ」嫌な、しかし心底面白そうな笑顔を浮かべ、ヒル魔は次の競技に使う着ぐるみの 頭を脇に抱えた。それさえ被ればもう、『見た目はウサギ、中身は悪魔』が出来上がる。「言わないで! …本当に…恥ずかしいんだから」まも…
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Not 404
気づけば目で追っている。そんなこと、ずいぶん前からだ。労働力、だったはずだ。いや労働力、だ。それ以外に何があるのだろう。「ちっ」ヒル魔は部室の真ん中に置かれたカジノテーブルに寄りかかると、壁に持たれな がら床に座り込んで眠る彼女を一目した。…
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プロポーズは30分
『30分待て』思えば、これがプロポーズだったのかもしれない。卒業式のあと、強引に部室に連れて行かれて。自分で引っ張ってきたくせに、貴方は待て、とかわからないことを言う。それも30分なんて。『あのねぇ。私だって友達と写真撮ったりしたいんです!…
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カンジョウ
「…どうした」「なにがだ」空はとうに暗い。部活だってだいぶ前に終了したはずだ。泥門デビルバッツの指令塔、蛭魔妖一は窓の桟に座ったまま月明かりでやっとわ かる武蔵厳の顔を横目で見た。「姉崎さんと帰ったんじゃないのか」ヒル魔は口に含んでいたガム…
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happy birthday to you
誕生日とか。んなこといちいち祝うのは心底くだらねぇと思ってた。生きていられりゃそれでいい。だが。てめぇが生まれてきて、てめぇに逢えて、てめぇと行動を共にするようになって、俺は今、内心良かったと思ってる。アメフトがこの世から無くなったとしたら…
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見ツメ合イ
ヒル魔くんの目線の先を追ってみた。青い空。思わず笑顔になって、また視線を彼に戻した。太陽の光。キラキラ光る、貴方の髪。整った容姿。みとれてしまう。貴方の全てに。鳴り響く、笛の音。力強く地面を蹴る貴方の足。50メートル走。クラスの誰かに名簿へ…
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ポッキー
「…なんだそれ」ひどく不機嫌そうにヒル魔が言った。「ポッキー」満面の笑顔で、それをヒル魔の目の前につきつけるまもり。「甘いもんを俺の前で喰うな」ヒル魔は首をふいっと横にやった。「いいじゃない。食べたいんだもの」椅子に座り、まもりはポッキーを…
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おはよう
一日の授業が終わり、クラスの掃除を済ませて僕が部室に入ったとき、まもり姉 ちゃんはテーブルで眠りについていた。「まもり姉ちゃーん、まもり姉ちゃんってば」幸せそうに眠っているまもりは、目を覚ます様子もない。セナはひとつ、ため息をついた。主務の…
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答え
「…ヒル魔くん…?」部活が始まる二十分前、ヒル魔は欠伸をしながら部室を出ていった。そのとき教室の掃除をしていたまもりは、偶然窓からそれを見かけた。これから部活なのにどこ行くんだろう。少し考え、後を付けてみることにする。ほうきを掃除用具箱をに…
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一生を、
「何やってんだ、バカ」第一声がそれだった。「バカじゃないわよ…バカ…」頬につたうのは涙なのかもわからない。まもりの身体には激しい雨が打ち付けていた。「とにかくウチ入れ」「嫌」服が肌に張り付き、肩が震えている。「風邪ひくだろうが。んなとこ突っ…
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いちばん
少し嫉妬してみた。バカか、と言われた。散々からかわれた。てめえは俺を見てんなこと考えてんのか。でも、そうでしょ?私は、貴方の中では一番じゃない。だったら、嫉妬くらいさせてよ。どうせ、一番にはなれないの。だって、一番のことが好きな貴方が好きな…
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